MDF加工
イベントに行くと、MDFの加工に関してよく聞かれます。
「やっぱりCNCでやっているのですか?」と。
残念ながらCNCは持っていないので、電動糸ノコで切ってますよと答えると皆さん、一様にびっくりされます。
しかし実際のところ、そんな難しい作業ではないので、ご紹介いたします。
ロボットを作成するに当たって、既に何らかの加工スキル(アルミ・樹脂等)をお持ちの皆さんには殆ど役に立たなさそうですが、これからMDFでやってみたいという奇特な方のためになれば幸いです。
①CADで引いた図面を実寸大に印刷します。
プリンタによっては、正確なサイズで出ない物もあるようですのでご注意。
同じ長さで書いてるつもりでも、出してみると縦線横線で比率が違ってたりするものがあるそうです。
プリンタは6年位前に買った AlpsのMD-5500 を使用しています。
②MDF板に糊で貼ります。
そのままベタッと貼ってもいいのですが、あとで剥がすことを考えると余分な部分は少ない方が効率的なので、部品は一つ一つ切り離して貼っていきます。
こういった端材も有効活用できますのでコストダウンとゴミの減量にも効果的です。
糊はスティック糊を使いますが、強力なものは後で剥がすのに苦労しますので注意。
私は100円均一の物を使用していますが、商品の入れ替わりが激しいので、前のお気に入りはいつの間にかなくなってたりします。
液状の糊は染み込んでしまいそうなので使えないと思います(試してませんが多分)。
③卓上ボール盤で穴を開けます。
必要に応じて穴あけします。
昔はちゃんとタップ立ててからやっていましたが、最近はタップは使っていません。
ドリルのキリサキを図面の穴の中心の十字線(CADで書いたもの)に軽く図面に穴が開く程度に当ててみて、ずれてれば少し補正してやるだけで、少なくともAsso Di Fioriやヒロムロボの作成に必要な精度は出ます。
MDFは切削に対して非常にやわらかいので、最初にズレてても深くなければ十分補正が利きます。
これは慣れのせいもあるかもしれませんが。
また、写真の赤矢印のように後でくりぬく部分にはその内側の領域にドリルで穴を開けておきます。
卓上ボール盤は、ホームセンターの特売で\4,980で買ったナカトミのDRP-250を使用しています。 ....なんか廃盤のようですね。
ま、同じくらいのは\6,000~\8,000くらいで売ってます。
④線に沿ってコッピングソー(電動糸ノコ盤)で切っていきます。
コッピングソーはPROXXONのコッピングソー(速度調整のできない一番安いやつ)を使用。
ホームセンターで\8,000弱でした。
⑤くりぬきです。
くりぬく部分は、一旦ノコ歯を外し、③であけた穴にノコ歯を通してセット。
あとは内側の線に沿って切っていきます。
もちろんはずす場合もノコ歯を外します。
⑥完成。
紙を剥がして完成です。
剥がれにくい場合もスクレイパーや他のMDFの端材等、エッジの立ったもので削いでやればきれいに剥がれます。
糊が定着する前に早めに剥がした方が剥がしやすいです。
図面の線に沿って切るとき、精度が必要な場合は、線の内側、線上、線の外側、どれに沿って切るかはそれぞれの部品の用途によって違います。
その判断は経験が必要かと思いますが、貼り合わせのための位置あわせの目的には切断面を使わない方が無難です。
私の場合、張り合わせの位置あわせは穴位置で行っています。こちらの方が精度は出しやすいです。
シロート加工ゆえの切削技術上の問題かもしれませんが切断面はあまりアテにできないので、私はできるだけ切断面に精度が不要な設計を心がけています。
Assoやヒロムロボのリンク等に使用しているベークライト板も同じ方法で切り出しています。
ABSやポリカーボネート等の熱可塑性の樹脂はコッピングソーで切断する際の摩擦で切断面が融けてしまい、あまりうまくいきません。(速度調整が出来るやつであれば可能かもしれませんが。)
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コメント
こんにちは~
うちの場合、「タックシール」というシール印刷用紙を使っています。
同じような工作方法(というか真似しましたゴメンナサイ(^^;)で加工していますが、加工中にはがれることもないです。
加工後は爪で簡単にはがせます。
お値段が高い(A4が10枚で450円)のがタマにキズですorz
投稿: りひと | 2006.12.05 08:28
りひとさんこんにちは。
SISOさんもたしかタックシール使ってましたね。
タックシール、やっぱり高いのが難点です。
特に、試作で小さな部品を1つ2つ切り出したい時など、もったいなくて使えないです...
普通のA4コピー用紙なら100円で400枚とかで買えますからね。
投稿: いずみかわ | 2006.12.05 09:34